ネガティブ

 

 

 

都合の良いときはポジティブ思考だが、どちらかといえば

ネガティブ思考の私は、事を起こす前に悪い方へ考えてしまう。

いつ頃からポジティブ・ネガティブという言葉が、

一般的に言われるようになったかは解らないが、

ネガと言う言葉に出会ったのは、写真を撮り始めた頃だ。

ネガフィルム…一般家庭用はこの種類を買い

現像プリントを店へ持っていく。今はフィルムがないので

現像という工程はない。

現像されたフィルムを見るのが好きだった。階調が

反転しているのだが、全体に茶色っぽく、顔は黒ずんで

プリントすると綺麗になるのが不思議だった。

今ではネガ状態で見る人は、ほとんど居ないだろうが、

ソフトを使えば写真データをネガ(階調反転)にすることが出来る。

 

 

 

この歳で日本画を勉強して。ではないのだが、ネガにしてから

色変換、調整などして日本画風にしてみた。

写した写真を、とりあえずネガにする癖がついてしまってるが、

いけると思う写真は案外で、イマイチと思った写真の方が

ギャップがあって、あらたな発見が興味深い。

 

 

水墨画風はわりと楽に作れる。反転すると黒は白になるので

まずバックが暗い写真を選び、全体をモノトーンに色を落とす。

アクセントで、色がちょこっと残るのもらしくなる。

 

 

銅版画、メゾチント風…。コントラスト付けてラインを強調。

切り株の立体感のなさが、偶然なのだが、より効果を高めている。

テクニックは怪しいので、思わぬ効果が面白い。

 

 

これは、モノクロにして反転…鉛筆スケッチ風。

ちょっと手抜きかぁ…

 

 

風景写真を反転してコントラストを高めたもの。

鉄骨など人工の構造物は、反転するとカタチがより強調され、

デザインのバランスが美しいと思うことがある。

街灯と観覧車のラインが強調され、リズム感が楽しい

 

 

昼間の写真を反転すれば夜になる。

構造体その物が光っているように見え、実際にLED照明で

輝かせたら、格好いい建築になるなぁかと。

 

 

普段全く無視している高圧電線の鉄塔も、反転して

夕焼け空風をバックに。実際に鉄塔や電線を白にしたら

結構きれいに見えるんじゃないかと。

 

 

最初の絵画風3枚の、元写真。特にネガ表現を狙ったわけでは

ないので、とりあえず階調反転で偶然の産物だ。

むかしネガフィルムが、プリントで綺麗になる歓びが

今では反転して、ネガにする歓びという…う~ん

ネガティブ思考万歳だ。

 

 

 

 

 

 

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