男鰥な映画-6……(予告編ぐらいでネタバレありません)

Restless  永遠の僕たち……ガス・ヴァン・サント監督


毎年8月は終戦記念日にあわせて、戦争に関する番組がテレビで放映されますが、

 

この映画も先日NHK.BSで放映されたのを、前から気になっていたので、

 

これ幸いとエアチェック(古い死語かな)しました。

 

私はタイムマシンをあつかった映画には、即、とびついてしまうんですが、


飛行服のヒロシ(加瀬亮)のスチールを見て、もしやと思い……。が、

 

この映画は違っていました。反戦映画でもないかなぁ。

 

 

 

 

ヒロシは特攻で亡くなった幽霊の設定で、主人公にしか見えません。


幽霊が現代にタイムスリップしたといえば、タイムマシンものなんですが…。

 

ヒロインは「ある愛の詩」から何度もありそうな、かわいそうな設定で


主人公は、この二人(一人は幽霊)と出会うことにより


大切な人の死の悲しみを、乗り越えていくというのが

 

大まかな筋書きです。テーマは死生観でしょうか。

 

見る人によって、感想が分かれそうな作品でもあるなぁ…。

 

 

 

 

ポスターを見ると、結構ヒロシの出番は多いのに、日本版しか登場してません。

 

主な登場人物はこの三人なのに、海外版は恋愛映画のようなデザインです。

 

ま、基本そうなんですが。

 

 

 

話が進むにつれ疑問点を、自分なりに解釈してみました。

 

実はこの幽霊、主人公のもう一つの姿で、自分では解決できない

 

苦しい時に現れ、どうやら客観的な立場からアドバイスしているのではと。


それとなく伝わってくる場面があります。

 

まず海戦ゲームで、ヒロシにはぜったい勝てないこと。

 

自分同士で戦っているわけですから、勝敗はコントロールできます。

 

それとハロウィーンの仮装で彼は、

 

特攻隊員のコスプレ(ちなみに彼女は浴衣姿)をし、

 

パーティー会場で、もう一人の特攻服の友人と出会います。

 

おそらくたぶん、彼はこの友だちときっと神風特攻隊のことを

 

詳しく調べたのに違いありません。ハラキリという言葉も知っています。


彼はどうにかしたい自分を変えるには、自分しかいないので、

 

ヒロシという他人の立場から助けていたのでしょう。


 



「君は、生きているだけで、何もかも持っている」…


このヒロシの言葉が、一番ガツンとくるシーンでしょうか。


本当は、彼女が出来たことにより救われているのですが、


やはり彼女との仲がピンチの時は、ヒロシに頼ろうとしてしまう。


元々彼女に声をかけろといったのもヒロシだし…ちょっとややこし。


ヒロシが本当の幽霊ならシンプルなんですけどね。



 

 

さあ三人の結末はいかに…ちょっと泣ける映画と思ったのですが、

 

清々しさの方が私は勝ったでしょうか。良い気持ちになりました。

 

外国の方(監督ですね)が、特攻隊員をどう思っているかも少しわかります。

 

あっ…でも男鰥な映画ではありませんでしたね。


 

 

前ページ    次ページ